作成日:2026.6/7

雨音と着物。6月の京都でしか撮れない「エモい」写真の撮り方

祇園白川の巽橋に着いたとき、雨が川に当たる音が聞こえました。ぱらぱらと、柔らかいリズムで。

着物姿で傘を差しながら橋の真ん中に立った瞬間、その風景がすっと「絵」になったのを覚えてます。晴れた日に同じ場所で見るのとは全然違う、しっとりと色が沈んだ感じの祇園が、目の前にありました。

6月の京都で着物姿になるなら、晴れの日より雨の日のほうが「エモい」写真が撮れます。SNSで広まる京都写真の多くも、実は雨の日や曇り空のものが意外と多いんです。今回はそのテクニックと、活かしたいスポットをまとめます。

「エモい」を分解すると、3つの要素にたどり着く

エモい写真って言葉、ふわっとしてますけど、構成要素を分解すると3つあります。

ひとつ、彩度の低さ。鮮やかすぎる色が画面にあると、エモさは消えます。雨の日は世界全体の彩度が下がるので、そのまま「エモい色味」が手に入ります。

ふたつ、奥行き。手前と奥に違う情報があると、写真に物語が生まれます。傘・着物の人物・濡れた石畳・遠くの街並み、というレイヤー構造が雨の日には自然に作れます。

みっつ、湿度。湿った空気感は、写真には直接映らないんですけど、見る人の感覚に訴えます。霧のかかった鳥居、濡れた竹、水たまり、これらが「湿度」として伝わると、画面の温度が下がります。

ミモザの雨傘無料レンタルが、撮影の主役になる

ミモザの雨傘は追加料金なしで貸してもらえます。これを使うかどうかで、雨の日の撮影クオリティが大きく変わります。

傘を差した状態で着物姿を撮ると、傘が画面の上半分の構図を引き締めます。傘の縁から伸びる袖と、地面につく草履、この三角形が、立ち姿の写真をぐっと安定させます。

撮影の角度は、少し下から仰ぎ気味に撮るのが鉄板です。傘の内側が見えるように撮ると、傘の柄や生地の色までフレームに入って、手元の情報量が増えます。

逆に、横からのプロフィール構図も雨の日には強いです。傘の弧と着物の裾のラインが、両方とも曲線として並ぶので、画面全体に流れが生まれます。

傘の色も意外と効きます。透明や淡色の傘だと光を通して背景が透けるぶん、画面が明るく仕上がります。和柄や暗色の傘だと、その傘そのものが「絵の中の主役」になるので、シルエット重視の構図になります。当日借りるときに「こういう写真を撮りたい」って一言伝えると、相性のいい傘を選んでくれます。

6月の雨の日、撮影におすすめのスポット5つ

ひとつ目は、祇園白川の巽橋。橋の上に傘を差して立つだけで、後ろの白川と柳が背景になります。雨で柳が垂れて水面に届きそうになる瞬間を狙うと、構図に動きが出ます。

ふたつ目は、八坂神社の本殿前。回廊の屋根があるので、雨宿りしながら撮影もできます。本殿の朱色と、雨で濡れた境内の石畳のコントラストが、ふだんより鮮やかに残ります。

みっつ目は、産寧坂の石段。雨で濡れた石段は、晴れの日にはない反射が生まれます。少し高いところから坂を見下ろす構図で、傘の頂点と石段の流れを並べると、奥行きの強い1枚になります。

よっつ目は、高台寺の方丈前庭。回廊から雨に濡れる枯山水を眺めるかたちで撮影できます。庭側に傘を差したまま少し身を乗り出して、後ろから1枚撮ってもらうと、屋内と屋外の境界線がきれいに残ります。

いつつ目は、円山公園の池の周辺。雨だと観光客がほぼいなくなるので、池を背景にゆったり撮影できます。水面に当たる雨粒が無数の波紋を作っていて、それを背景にした人物撮影は、晴れの日には絶対に再現できません。

5つを1日で全部回るのは少しハードなので、午前中に巽橋・八坂神社・産寧坂の3つ、午後に高台寺と円山公園の2つ、というルートが現実的です。雨の強弱でルート順を入れ替えると、撮りたい構図に合った光のタイミングが拾えます。

スマホでも撮れる「エモい」テクニック

ミラーレスや一眼レフがなくても、スマホで十分にエモい写真は撮れます。

まず、ポートレートモードを使って背景をぼかします。雨の日は背景の情報量が多くなりがちなので、人物以外を軽くぼかすと、見やすい写真になります。

次に、レンズに雨粒が1〜2粒つくのを許容します。完全にレンズを拭ききらず、わずかな雨粒を残したまま撮ると、画面の手前にもう1レイヤー追加されて、見る人に「雨の日に撮った感」が伝わります。

最後に、彩度を下げる加工を1段だけ加えます。スマホの編集機能で「彩度-10〜15」くらいに下げるだけで、もとの写真がぐっとエモくなります。やりすぎないのがコツで、目安は「ちょっと寂しいかな」と思うくらい。

加工アプリを使うなら、無料のVSCOとかLightroomモバイルで「フィルム調」プリセットを軽く乗せると、雨の京都にぴったりの色味になります。フィルター強度は50%以下に抑えると、加工感が出すぎず、本物の写真のまま「エモい1枚」に仕上がります。

推し活仲間2人と、雨の祇園を撮り合った1日

行ったのは、推し活で意気投合してから定期的に旅してる女友達2人と。3人とも撮影が好きで、互いに撮り合うのが旅の目的の半分くらいになってる関係です。

朝、ミモザでくすみ系のレース着物に着替えて、雨傘を3本借りて出発。最初の30分は雨が小降りで、八坂神社→巽橋→白川沿いを撮りながら歩きました。

雨が強くなってきたタイミングで産寧坂の途中の喫茶店に入って、軒下から坂の写真を撮ったり、店内で着物姿を撮り合ったり。観光のリズムが完全に「撮影」に寄ってる1日でした。

夕方近くに高台寺の方丈前庭まで戻って、回廊からの1枚を撮影。3人とも「これ、晴れてたら絶対こんな写真撮れなかったよね」って同じことを言ってて、結果的に雨予報の日に組んだ旅で大正解だったと結論が出ました。

家に帰って3人のグループラインで写真を共有したら、「雨の京都また撮りに来よう」って即決まりました。たぶん来年の6月も同じメンバーで行きます。

写真のフォルダを開くたびに、雨音が頭の中で再生されてくる感じがあって、これは晴れの日の旅にはなかった残り方です。映ってないはずの音まで覚えてる写真って、なかなか撮れません。

まとめ

6月の京都の雨の日は、エモい写真を撮るためにあるような時期です。

無料で借りられるミモザの雨傘を握って、彩度・奥行き・湿度の3要素を意識した撮影で、晴れの日には絶対に撮れない1枚が残ります。

スマホでも十分撮れるので、機材を構える必要はないです。ただ、雨予報を見たときに「キャンセルしようかな」って思う気持ちだけは、捨ててください。雨の京都は、写真を撮る人にとっては当たりの日です。

アクセス 京都・清水寺 徒歩10分
予約する \ 24時間WEB予約 /